10年前の面接

「次の方どうぞー」
 
10年以上前のある日、私は新宿のとある雑居ビルにいた
“なぜか?”というとアルバイトの面接だったからだ
 
 
それまで働いていたブラジル人だらけの弁当工場を逃げるように辞め、目を皿のようにするだけではなくターンテーブルに乗せて次の仕事先を探していた

 
必死に探していた
  
 
銃を肩にかけ、動物園の檻から逃げ出したツキノワグマを探す猟師のごとく探していたのだ
 
(もちろんクマではなく仕事をだ)

 
 
当時、大学に行き就職するという選択肢が無かった私は人生に絶望していた
 
(今のように起業という選択は、ほとんど無い時代である)
 
 
この先の人生はどうなってしまうのか?不安でしかたなかった

 

漫画スラムダンクの中に“三井寿”というキャラクターが出てくる
 
通称ミッチーだ
 
 
ミッチーこと三井寿は中学校時代、バスケットボールの全国的スタープレイヤーであったが、高校に進学した途端にケガをしてしまい、バスケから離れなければならなくなる

 

そしていつしか不良グループに入っていき、ケンカで歯を失ってしまう
 
 
順風満帆だったスポーツマンとしての夢を失い、レールを外れ、何をしていいかわからない状態だったのだ
 
 
ここまで書いて10年前の私は三井寿と似ていると書こうと思ったが
 
全く似ていないことに気づいた

 
 
どちらかというと、ある晴れた昼下がりに荷馬車に乗せられ売られていく子牛の状況に似ていた


と表現したほうが6倍はよかったと心から反省している

 

そしてなぜ物悲しいこの曲が、音楽の授業で歌われるのか?
 
 
いまだに謎だ
 


そんな謎を抱きながら、当時は毎週のようにコンビニでフロムエーとフライデーを買い、フロムエーの求人を見て電話をして面接予約を入れ、胸をなでおろしフライデーの袋とじを開けてたわわな胸をながめおろし
 
 
そして次々面接を受けては落ち、面接を受けては落ち、もう中学生からやりなおそう“すなわち是もう中”と思想をめぐらせていたら
 
 
ヤマハが音楽スタジオを開業!オープニングスタッフ募集!」という求人広告があり大量募集をしていたからか、面接に行ったらすぐに合格した

 

 
「もうここでいいか!」と思ったが、もう1つ新宿の会社に面接予約を入れていたのを思い出し、とりあえず行ってみることにした
 

 
求人には「音楽ガンガンの楽しいオフィス 、20代が活躍中!」とだけ書いてあり、仕事内容は謎だった

 
 
そして、面接当日「インドの列車かよ!」っていうくらいおびただしい人が乗る埼京線に乗り、新宿に到着、南口を出てファーストキッチンの巨大時計を通り過ぎた先にあるアヤシイ雑居ビルに到着した 
 
 
その時のことは今でも鮮明に覚えている
魚羊日月にだ
 
 
このビルの地下1Fには「失楽園」という中国式マッサージがあった


まあどう見てもピンクなマッサージ屋だ

 
ここの中国人エステティシャンが、一生懸命ビルの入り口で客引きをしていたのである
 
 
「しゃっちょさーん!マッサージー!いかがですかー?」
 
 
って、「わしゃ社長でも部長でも、社員でもバイトでもなんでも無いわ!ただの無職じゃ!」っとキレかかりながらも「バイト代が入ったら、お世話になります!」とお姉さんから割引券だけもらい、ビルの中に入っていった

 

そしてエレベーターに乗りその会社がある7Fへ向かった

 

ってこのエレベーターめちゃクサい!
なんかおじいちゃんの肩の匂いがする!

 

おじいちゃん4人に囲まれて、それぞれの両肩からつまり8箇所から匂いが放たれてる!
 

それに近い!
 

 
あまりのクサさに意識が朦朧とし、初恋のあの子がバレンタインデーに他の男にチョコを渡していてショックを受けた小学校時代を思い出し、泣きながらドナドナを歌っていた

 
するといつのまにか7Fについたのである
7F、かっこ良く言うとセブンスフロア
 
 
そこで私は愕然とした

 
ジェロムレバンナの右フックを顔面にもろに食らった時に
匹敵するくらい、ヒザがガクガク震え、もうそこに立っていられないヘナヘナと崩れ落ちお尻をペタンと床につけ、あとは神に祈るしかなかった


 
 
なぜ愕然としたのか?

 
なんと求人に書いてあった「音楽ガンガンの明るいオフィス」というのはウソではなかったのである
 
 
エレベーターを降りた瞬間、鉄の扉があり、その扉の向こう側から、大音量のユーロビートがかかっていたのである
 
 
その瞬間、本能的にすぐに引き返すことを決断した、何もここ以外にも仕事先はたくさんある

 

あなたはもう忘れていると思うが、既にヤマハの音楽スタジオに合格しているのだよ、私は
  
 
何もここで面接を受けなければならない理由なんてない

 
私には選択肢がたくさんあるのだ!
 
私は自由なのだ!
 
I HAVE A DREAM!」と叫びながら、エレベーターの降りるボタンを親指で押す私

 
 
「早くエレベーターよ来い!とにかく帰りたいんだ!」と、高橋名人がスイカを割った時とほぼ同等のスピードでボタンを押し続けていたら、ユーロビートがかかる鉄の扉が開き、中からお姉さんがでてくる。。

 
 
その瞬間、「あれ?このお姉さんも地下1Fの失楽園で働いていているのかな?じゃあ60分コースでお願いします!」

  
 

っと先ほどもらった割引券を差し出そうと思ったら、残念、ただの事務員さんであった

  

「あ、面接の方ですか?中にどうぞ~」
  

お、終わった。。
 
 
その瞬間、母親にエロ本の隠し場所がばれた小学6年生の時以来の汗が出てきた
 
 
もはやその汗だけで川ができ、その川から生命が誕生し、千の夜を超えて生態系が確立し、自然、動物、そして人間が共存共栄する奇跡のホシ「地球」
  
 

そんなこの汗だけで長編映画ができてしまうじゃないか!と考える間もなくとりあえず鉄の扉をくぐり、オフィスの中へ・・・

 
 
既に同じく面接に来ている人が2人いて、なにやらアンケートを書かされていた。私もイスに腰をかけ、アンケートを記入

 
やる気を見せようとアンケート用紙いっぱいに書き、さらに用紙の裏側にも書き、気づいたらトイレの壁にまで書いていて、事務のお姉さんに怒られた

(非常にゾクゾクした)


 
そうこうしているうちに、前の2人の面接が終わり呼ばれる「次の方どうぞー」
 

そこに現れたのは茶髪の若い兄ちゃんだった。そしてなにやら早口でベラベラと仕事内容をしゃべる。。

 
ユーロビートの音楽と合わせて何を言っているのか、さっぱりわからなかったが、仕事はレストランの割引券を訪問販売で売るということだけわかった

 


非常にアヤシイ仕事である
 
 

しかしそれまで、工場での作業ばかりだった私は「外に出れるのか!楽しそうだな!」っと逆にワクワクしてしまい「明日から働かせてください!」と言っていた

 
 
後でわかったことなのだけど、この面接してくれた人はスタッフではなく、社長さんでなんと27歳だった(当時20代の社長なんて世の中ほとんどいなかった)

 
 

今、思い返してみても人生に絶望していた頃に、この会社に入れたのは幸運だった。仕事の基礎はこの社長、この会社からすべてを学んだと言ってもいい

 
 
そのくらい人生を変えてくれたし、今があるのもあの時、ユーロビート鳴り響く中、鉄の扉を押して中に入ったからだと思う

 
 

営業マンとして働きはじめてからは、なにもかも初心者だったためまったく売り上げがあがらない。歩合給が0で昼メシが食べられない時期が3ヵ月ほどあった

 
 

しかし4ヶ月目には全国1000人近くのセールスマンの中から1位の成績になって表彰され、半年目には部下が30人になり、1年目には支店を任されて月の歩合給が200万円になっていた

 
 

結果的に2年半でやめてしまうのだけど、この会社での出来事を書いただけで、本が2、3冊できあがってしまうくらい、濃い時間を過ごさせてもらった

 

 

なんでこんな話を書こうと思ったか?というと、先日、この時一緒に働いていた方と実に10年以上ぶりに再会したからである

 
 

この方は司さんという方で
情報ビジネスの世界では有名な方だ

 

司さんはあたらしの4ヶ月あとに入ってきた。最初は一緒に住宅街を回り営業の仕方を見てもらったりもしていたが、司さんはその頃からコミュニケーションスキルが抜群であったため、すぐに営業で成果を出していった

 
そしてお互い支店を任され、四国と九州で活躍するようになった

 
 
結果的に、私がその会社を先に辞め連絡が途絶えたが、先日、偶然フェイスブックで発見し飲みに行くことになった

  

10年以上ぶりに再会した司さんは、年商15億円規模のバリバリの経営者になっていた
  

 
 
“緊張するなあ、何を話ししようか。。”
  

 

 

 
しかし久しぶりに再会した司さんは、あのころと何一つ変わらず接してくれた

 
  

 

 

 


 
「おお、ひろゆきー!!元気だったかー?」
 
 

 

とあの頃と変わらぬ笑顔で

  

 

 

 

 

 

 
それが何より
  

 

 

 

 

 
嬉しかった

 

 

 

 

 

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